記者資料提供(2023年12月8日)
経済観光局経済政策課
(公財)神戸市産業振興財団(以下、財団)では、事業承継支援として後継者不在企業と第三者とのマッチング支援を行っています。
財団の支援の6例目として、そば・うどん・丼店の「そば処かどの(神戸市兵庫区)」と西村氏との間で下記のとおり事業譲渡が完了しました。
1.本件概略
(1)譲渡店舗名:そば処かどの
代表者 :楞野 正之(かどの まさゆき)氏 69歳
所在地 :神戸市兵庫区永沢町2丁目3番2号
事業内容 :そば・うどん・丼店
2)譲受者 :西村 洋祐(にしむら ようすけ)氏 36歳
神戸市在住
略 歴 :消防士を約10年。東日本大震災の時は被災地に出向き、炊き出しを行った。
祖父母が飲食店を営んでいたこともあり、地元神戸で事業をしたいという思いが強く、後継者候補に登録した。
事業譲渡契約調印後、財団会議室にて
左)西村氏、(中央)楞野氏(大将)、(右)楞野氏の奥様(おかみさん)
西村氏はおかみさんに「ようちゃん」と呼ばれ、本当の親子のようです。
(3)事業譲渡契約締結日:2023年9月4日
2.案件の経緯
・2018年、楞野氏が64歳の時に、後継者不在であり、将来のことが不安だったため財団に相談された。
創業40年超のそば・うどん・丼店であり、特にかつ丼が評判となり固定客が安定している。
味を引き継いでほしいがどうすればよいか?と後継者を探すために100年経営支援事業に申し込まれた。
・西村氏は消防士をしていたが、友人や大学の先輩である経営者から影響を受けて、自分も起業したい、経営者になりたいという思いが強くなり、財団のホームページで知った100年経営支援事業の後継者候補登録を行った。
その後、財団から配信される譲渡案件の中から飲食店の情報を見つけた。
祖父母も飲食店を営んでいたこともあり、ご縁を感じ、マッチングを申し出られた。
・2023年4月にマッチングを行い、親子ほどの年齢差であるが、初対面から両者が意気投合し、承継交渉プロセスは順調に進んだ。
また、事業譲渡資金の調達に当たっては、日本政策金融公庫の融資(事業承継・集約・活性化支援事業)を活用した。
3.承継後の方針
・西村氏は精力的に楞野氏から味の伝承を受けている。名物のかつ丼から、そば、うどんと次々に楞野氏の味を引き継ぎつつある。
今後の展開として、テイクアウトや配達等新たな試みを展開してお客様を増やしたいと計画している。
またコロナ禍で夜の営業をやめていたが、再開に向け準備中であり、新しい可能性が広がりつつある。
地元のお客様に愛される、地域になくてはならないお店であり続けたいと意気込んでいる。
・常連様から「楞野さん、46年間お疲れさまでした。」との声が寄せられている。
(問合せ先)
<事業承継資金融資について>
日本政策金融公庫 神戸支店 国民生活事業 山副、黒田 電話 078-341-4982
<事業承継について>
〇事業者に関するお問い合わせ
そば処かどの 西村 洋祐 氏 電話078-576-9555
〇支援事業に関するお問合せ
(公財)神戸市産業振興財団 経営支援部 沖本、阿部 電話078-360-3220
(参考)神戸市の事業承継支援の取り組み「100年経営支援事業」
・財団では平成30年度より、地域の価値ある会社を次世代に引継ぐ「100年経営支援事業」(事業承継支援)に取り組み、専門家支援や後継者不在企業と後継者候補とのマッチングを実施しています。
・専門家支援では、中小企業診断士や公認会計士・税理士・弁護士・行政書士等異なる分野の専門家が複合的な課題に対応するユニークな仕組みを取り入れています。