阪神・淡路大震災の経験から神戸で生まれた「災害看護学」 震災30年の節目に「第8回世界災害看護学会国際学術集会」が神戸市で開催

記者資料提供(2024年11月15日)
(一財)神戸観光局・神戸コンベンションビューロー

11月29日(金曜)から3日間、「第8回世界災害看護学会国際学術集会」が神戸市看護大学で開催されます。世界各国の災害看護研究者ら300名以上が参加し、災害看護の実践で得られた知見の地域社会への応用や将来の展望などについて意見が交わされ、災害リスク軽減に向けての政策提言が行われます。

2010年には第1回目の学術集会が神戸で開催され、世界各地での隔年開催を経て、第8回目が震災30年の節目に学会発祥の地・神戸で開催されます。
同学術集会では、研究者向けの講演・発表の他、一般の方も参加できるまちあるツアーや展示・ワークショップなどの市民公開企画も用意されています。

災害看護学とは

「災害看護学」は、阪神・淡路大震災を機に学問として体系化された分野です。1995年に起こった阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件をきっかけに、災害における看護を学問として見直す必要性・重要性が医療関係者間で認識され、1998年に「日本災害看護学会」が設立されました。

また、台湾、トルコ、スマトラ沖の地震やSARSなどが発生する中、最前線の医療従事者は各国における災害看護への知識や経験不足による対応力の差に直面しました。世界レベルでの知識・経験の共有や対応力の向上を図るため、2008年に日本が中心となり、台湾、トルコ、インドネシアなど7か国、40団体の賛同を得て、「世界災害看護学会」が設立されました。

開催概要

大会名:第8回世界災害看護学会国際学術集会 The 8th International Research Conference of World Society ofDisaster Nursing (WSDN24)

テーマ:変化するリスク環境における災害看護の再考~地球と人々の健康のプライマリ・ヘルスケアから ソーシャルイノベーションへ~
大会長:神原咲子(神戸市看護大学教授/日本災害看護学会理事)
主催者:世界災害看護学会国際学術集会事務局
会 期:11月29日(金曜)~12月1日(日曜)
会 場:神戸市看護大学(神戸市西区学園西町3丁目4番地)
参加予定人数:現地300名以上(内、海外100名)オンラインを含むと1,000名
参加国数:14カ国(台湾、インドネシア、タイ、ネパールほか)
内 容:講演・発表の他、市民公開のミニツアー・展示・ワークショップ等も予定しています。
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 市民公開企画

1)震災復興の鍵となった人々やコミュニティに出会うまち歩きです。

「HAT神戸」と「長田」エリアに点在する防災施設やコミュニティ施設をまち歩き用のチラシとデジタルマップにまとめ、各施設の歴史・活動・地域とのつながりなどをご紹介します。来訪者はそのマップを手に、自由にまちを散策することで、震災復興の鍵となった人々やコミュニティに出会う機会を得ることができます(ミニツアーも実施します)。         
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HAT神戸・長田エリアの防災・コミュニティ施設(まち歩き用のチラシから抜粋)
※デジタルマップへのアクセスは、事前登録が必要です。登録サイトは後日、本学術集会のホームページで公開されます。

ミニツアー① 「HAT神戸」エリアを散策し神戸の復興への取り組みを学ぶ
日 程:11月29日(金曜)11時~12時
集合場所:兵庫国際交流会館1F
コース: 兵庫国際交流会館→兵庫県立美術館→人と防災未来センター→兵庫県災害医療センター 等

ミニツアー② 「長田」エリアの多様なコミュニティとレジリエンスを体感する
日 程:12月1日(日曜)14時30分~16時30分
集合場所:神戸市看護大学(13時30分)または新長田駅(14時30分)
コース:神戸市看護大学→新長田駅→たかとり教会→ふたば学舎→六間道商店街 等
参加方法:事前申込不要
参加費:無料

2)日本の文化と最新技術で考える、防災展示・ワークショップ等

阪神・淡路大震災から全国に広がった「まちの保健室」、開発実用されているスマホアプリを活用した避難訓練、グローバルな危機から未来の避難を考えるVR体験など、最新の知見を得ながら親子で学べる企画をご用意しています。さらに、日本の文化、食と健康をテーマにした持続可能な生活のワークショップもあり、家族みんなで安心・安全について考える機会です。(小さなお子様が遊べる場所も設けられています)
日程:11月30日(土曜)12時 ~17時、12月1日(日曜)9時~15時
場所:神戸市立看護大学 体育館
参加方法:事前申込不要
参加費:無料
主な内容:
避難訓練の体験:VR・スマホアプリ・デジタル地図を活用した避難訓練や避難所運営の体験
最新技術の展示:ドローン・医療コンテナ・シニアカーなど、安心な暮らしに必要な技術を紹介します。
まちの保健室:看護師による健康や暮らしの相談が気軽に受けられるスペース。オンラインやVRを通じてグローバルなデジタル世界と繋がる健康相談を 提供します。
こどもの遊び場:自然にあるものや廃材を活用し、どこでも作れる遊び場を設置します。
日本の文化的な暮らし・持続可能なくらし:食や健康を考慮した持続可能な生活や、災害時に役立つ助け合いの料理を提供します。お土産の購入も可能です。
阪神・淡路大震災後のまちづくり:震災後の暮らしの変遷、および災害現場での活動を紹介する映像を紹介します。
・最新の研究・学術雑誌の紹介
※詳細は随時、本学術集会のホームページで公開されます(URL:https://wsdn2024.com/)
(担当)内山・藤田
(Email)wsdn2024jimukyoku@gmail.com

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