予想以上の好反応!衣類回収サービス「するーぷ」の実績をレポート/JGC Digital株式会社

日揮ホールディングス株式会社のグループ会社・JGC Digital株式会社が、2023年度のCO+CREATION KOBE Projectに採択された、衣類回収サービス「するーぷ」は、全国初の実証実験中です。アプリに登録後、市街地に設置された回収ボックスに、着なくなった衣類を投入するとポイントが貯まり、お買い物券や寄付に使える仕組みです。

神戸・三宮の中心部4ヶ所に、1月15日から回収ボックスを設置して約1ヶ月半。どのような成果があり、市民の反応や得られた気づきなどについて、本プロジェクトのプロジェクトリーダーを務める、JGC Digital株式会社 代表取締役社長CEO 長谷川順一さんにお話をお伺いしました。

「するーぷ」の詳しい説明はこちら。公式サイト https://sales.suloop.biz/

1日100kg以上が回収された日も!見えてきた利用者像

1月15日から設置・回収が始まり、約1ヶ月半運用したところですが、アプリ登録者数は約1,500人、トータルで1,500回以上の衣類投入がありました。

回収量としては、平日でも1日90kg程度の日があり、休日には1日100kgを大きく上回る日も記録しました。目標を少し上回るペースでご協力いただいていて、私たちも反響に驚いています。

投入された時間や量、アプリに登録された属性等でデータを解析していますと、20〜50代の女性が最も多く、出勤のついで・お買い物のついでに利用くださっているようです。衣類の投入量に応じて付与されるポイントについては、お買い物券に交換される方が多いですが、サービス開始後に能登半島の義援金もポイントの使い道として追加したところ、そちらを選ぶ方も多いです。

利用者像については、実証実験前のイメージを裏付けるデータが取れ、今後の開発ターゲットを絞るにあたって、有益な情報となりました。

ユニークな取り組みに、メディア各社も注目

2月に入り、地元メディアにいくつか取材いただきました。IoT技術を使った、無人回収の仕組みはもちろんですが、環境負荷低減に参加するとポイントが付与されるという、ユニークな仕組みが注目されたポイントのように感じます。

読売新聞オンライン 2024年2月4日掲載

神戸ジャーナル 2024年2月9日掲載

NHK「Live Loveひょうご」 2024年2月20日放映

https://www.nhk.jp/p/ts/JWLK93KGKL/episode/te/MYV5V7L9PG/

NHK 兵庫NEWS WEB 2024年2月20日掲載

やはり報道されると、利用者数が増える傾向が見られ、いかに認知を上げることが大切かということが分かりました。取材の中で、実際に利用した方が「常設してほしい」とおっしゃっていたことが印象に残っています。つまり「不要な衣類を処分したいタイミングで、回収ボックスに持っていきたい」というニーズですよね。そのためには、目につくところや、通勤経路などの生活導線上に、常に回収ボックスがあることが、大事だということを再認識しました。

また、回収ボックスの容量についても、郊外の回収ボックス設置先であった、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)では、利用者が大量の衣類を車で持ち込む場合もあったため、大きめのボックスの必要性が見えてきました。利便性の高いスポットに設置すると、いっぱいになる速度も早いので、回収頻度が上がることも分かりました。目に見えるデータだけでなく、実証実験することで得られた気づきも大変貴重なものでした。

3月31日まで続く、今回の神戸での実証実験結果を分析し、次の実証実験などの今後の展開に活かしていきたいです。マーケティングを目的として、商業施設や鉄道会社とタッグを組んだり、一般企業に協力してもらいやすくなるよう、環境価値を数値で算出するなど、しっかりと事業が自走できるようにプロジェクトをブラッシュアップしていきたいです。

写真/JGC Digital株式会社 提供
取材・文/松本有希(株式会社神戸デザインセンター)