記者資料提供(令和4年1月18日)
神戸市とP&Gジャパン合同会社は、令和3年6月9日に包括連携協定を締結しました。この度協定の一環として、兵庫県下の大学生と共に、街の景観向上のためナッジ(行動変容の仕掛け)を利用した「仕掛けごみ箱」による実証実験を、さんきたアモーレ広場で行います。
1. 実証実験について
日程:令和4年1月18日(火曜)~令和4年2月21日(月曜)
場所:さんきたアモーレ広場
内容:ごみを捨てるという行動に行動変容を起こすような仕掛けやデザインをごみ箱及びごみ箱の設置場所周辺に施し、ごみ箱や仕掛けを設置した場合と設置していない場合で、ごみを捨てる人の行動がどのように変容したかを定量的・定性的に調査するとともに、取組を通じ市民に環境問題について関心を持っていただく。
2. プロジェクト概要
(1)実施体制
- P&Gジャパン合同会社:ごみ箱の原料となるプラスチックの回収・提供
- テラサイクルジャパン合同会社:P&Gリサイクルプラスチック処理とリサイクルプラを活用したごみ箱の製作
- 兵庫県立大学国際商経学部 講師 黒川博文先生:行動経済学に関する講義、知見の提供、実証実験全体設計
- 大学生(関西学院大学・神戸大学・兵庫県立大学・武庫川女子大学):ごみ箱デザイン、ナッジ(仕掛け)製作、実証実験実施
- 神戸市:プロジェクト全体統括、ごみの重量・組成調査
(2)仕掛けごみ箱
①ごみ箱デザイン
既存に設置されているごみ箱は、分別されずに捨てられていることが課題であることから、人々の分別への意識を上げるきっかけとなってほしいという思いを込めて参加学生がデザイン。
②ナッジ(仕掛け)製作
ぽい捨てを減らすために、ごみ箱への好奇心をかきたてる看板等の仕掛けや、メッセージを込めた音声の仕掛けを参加学生が製作。
- 看板デザイン
ごみ箱までの距離を表示し、ポジティブなメッセージ性を持たせたデザイン
- 音声デザイン
投入されたごみをセンサーで感知し、効果音や感謝を伝える言葉でフィードバック
感謝を伝える神戸弁・英語 (例)捨ててくれてありがとう!
効果音 (例)水に物を投げ入れた時の「ポチャン」 等
(3)実証実験内容
スケジュール
ナッジ(仕掛け)の効果測定のため、(A)ごみ箱なし(B)ごみ箱のみ設置(C)ごみ箱・音声設置(D)ごみ箱・音声・看板設置(E)ごみ箱・看板設置の段階に分けて実証実験を行う。
令和4年1月11日~1月17日 (A)ごみ箱なし
令和4年1月18日~1月24日 (B)ごみ箱のみ設置
令和4年1月25日~1月31日 (C)ごみ箱・音声設置
令和4年2月 1日~ 2月 7日 (D)ごみ箱・音声・看板設置
令和4年2月 8日~ 2月14日 (E)ごみ箱・看板設置
令和4年2月15日~2月21日 (A)ごみ箱なし
調査内容
下記3地点における属性調査(どのような人が捨てたか)、組成調査(どんなものが捨てられたか)、重量調査(どれくらい捨てられたか)を実施し、それぞれの期間においてどのような変化がみられるかを分析する。
- さんきたアモーレ広場に設置の仕掛けごみ箱
- さんきたアモーレ広場及び周辺のぽい捨て
- JR三ノ宮駅西口に設置の既存のごみ箱
3.関係者コメント
P&Gジャパン合同会社
神戸に本社を置く企業として、神戸市の環境サステナビリティに貢献する産官学連携プロジェクトに参加できたことを大変嬉しく思います。
学生の皆様がデザインした地元愛に溢れたゴミ箱は、全国で回収した使用済みのP&G製品(ヘアケア、衣料用・台所用洗剤)のボトル・詰め替えパウチ等を再利用して製造しました。
これから始まる実証実験を通じて、市民の皆さんが快適に過ごせる地元神戸の街並みを美しく保つためのヒントを多く発見できることを心より期待しています。
テラサイクルジャパン合同会社
テラサイクルは「捨てるという概念を捨てよう」というミッションのもと、従来廃棄されていたモノを資源としてリサイクルする事業を展開しています。今回のプロジェクトでは、リサイクルプラスチックを使用してゴミ箱のデザイン・作成を担当しました。本プロジェクトを通じて、美しい神戸の街でのぽい捨てが減り、また捨てるのではなくリサイクルやリユースへの意識が向上しゴミが資源となって循環する社会につながればと思います。
兵庫県立大学国際商経学部 講師 黒川博文先生
コロナ禍であったため、ごみ箱・ナッジ(仕掛け)のデザインについてのディスカッションは、ほとんどオンラインで行いました。ぽい捨てをなくし、神戸の街をきれいにしたいという学生の思いを感じ取って、みなさんも神戸の街をきれいに保つことに貢献してみませんか?
参加学生
神戸の街を美しく保つことに貢献したいという思いで、神戸らしいデザインと神戸弁の仕掛けを用いこのごみ箱を作成しました。市民の皆さまには、「ごみをごみ箱に捨てる」という当たり前のことを楽しんでいただき、ぽい捨て問題に目を向けていただけたらと思っております。
看板等のナッジを利用して、ごみをごみ箱に捨てるという行動を楽しんでいただけたらと思います。また、ごみ箱にごみを捨てるという行動1つ1つが、人間と動物が快適に暮らすことができる環境を作っているということを多くの方々に知っていただき、ぽい捨て問題を考えるきっかけになってくださると良いなと思っております。
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