記者資料提供(2024年6月28日)
環境局脱炭素推進課
神戸市は、日揮ホールディングス株式会社(本社:横浜市、代表取締役会長CEO:佐藤 雅之)・株式会社レボインターナショナル(本社:京都市、代表取締役CEO:越川 哲也)・NPO法人Blue Earth Project(神戸市、代表:谷口 理)・関西エアポート神戸株式会社(本社:神戸市中央区、代表取締役社長 CEO:山谷 佳之)と、持続可能な航空燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel)の原料となる廃食用油回収の取組を拡大すること目的とし、「廃食用油回収促進に係る持続可能な社会の構築に向けた連携協定」を締結しました。
1.協定の目的
本市は2030年頃に国際定期便の運用が開始する神戸空港を有しており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、持続可能な航空燃料(以下、「SAF」)の利用がその有力な手段の一つであると考えています。
廃食用油はSAFの原料の一つであり、特に家庭から排出される廃食用油回収の取組を拡大することで、市民一人ひとりが脱炭素に貢献できることを実感し、脱炭素・資源循環型社会の実現を目指すことが本協定の目的です。
2.連携事項
(1)家庭系廃食用油の回収に関すること
(2)廃食用油を用いたSAFその他バイオマス燃料の製造に関すること
(3)本事業を広く情報発信する機会の提供に関すること
(4)その他、本協定の趣旨を実現するために必要なこと
3.関係者間の役割分担
主体 | 役割 |
神戸市 | 回収実証設備の設置、市民向け広報 |
日揮ホールディングス株式会社 | 廃食用油のサプライチェーン構築 SAFの製造事業(※)コスモ石油(株)、(株)レボインターナショナルとの共同事業 |
株式会社レボインターナショナル | 廃食用油の収集および買取り |
NPO法人Blue Earth Project | 学生の視点を生かした広報 |
関西エアポート神戸株式会社 | 回収実証設備の設置への協力 |
4.協定に基づく具体的な取組
〇2024年秋頃から本市公共施設数か所に専用BOXを設置し、廃食用油回収の実証を開始
〇同時期に、関係者間で廃食用油回収の取組に関する普及啓発イベントを開催
【本市における廃食用油回収の取組イメージ】
【持続可能な航空燃料(SAF)の国産化について】
SAFは、廃食用油や植物・動物油脂、木質バイオマスなどから製造される航空燃料であり、従来の原油から製造される燃料に比べ、温室効果ガスの排出量を最大約80%削減することができます。
世界的には欧米を中心にSAFの製造が始まっていますが、日本国内において現在商業規模でのSAF製造は始まっていません。日揮ホールディングス、コスモ石油、レボインターナショナルの 3社は、2022年11月に国産SAFの製造事業会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立し、国内で発生する廃食用油のみを原料とした日本初となる年産約3万キロリットルの国産SAF製造を計画しています。当該事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より採択※を 受けた助成事業です。現在、SAF製造装置の建設が進んでおり、2024年内に完工、2025年初頭に供給開始を見込んでいます。
建設中のSAF製造装置(SAFFAIRE SKY ENERGY社提供)